神田 勝本(神保町)

 神保町の路地裏に佇む洒脱な作りの店は、まるで何年も前からこの町の景色に溶け込んだかのように佇んでいるが、2016年に開業したばかりの新しいお店。ここは水道橋の中華そば勝本が手掛けるつけ麺専門店。本店もそうだが、この落ち着きぶりは何なのだろうか。
 いわゆる老舗、特に寿司屋や蕎麦屋などを良く研究してある作り。看板しかり店内の装飾しかり、丼しかり。スタッフが全員髪を短く刈って、無駄口を一切きかずに黙々とキビキビと動く様も本店と変わらない。老若男女問わず、そして外国人であっても、誰もがこの店に入ると居心地の良さを感じるだろう。
 日本蕎麦の鴨せいろを彷彿とさせる、節系と煮干系が巧みに折り重なるつけダレ。そこに合わせる麺は浅草開化楼の細ストレート麺と平打麺の合い盛り。細麺は硬めに平打はやや柔らかめに茹でて食感のコントラストも演出する。店のみならず味までも盤石の安定感。目先の流行を追わず、十年先を見据えた姿勢に感服する。

神田 勝本(2016)
東京都千代田区猿楽町1-2-4
東京メトロ線・都営地下鉄線「神保町」駅より徒歩5分


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